映画『無音の叫び声』は、農民詩人・木村迪夫さんの半生を通して”食”や”農業”との向き合い方や平和反戦への強い思いが込められている長編ドキュメンタリー映画です。
本編では、60年間に生み出した詩の数々を引用しながら、日本の戦後を農民視点で映し出した貴重な作品として第31回農業ジャーナリスト賞を受賞しました。
本記事では、映画『無音の叫び声』の撮影場所・ロケ地についてリサーチをしてまとめます。
また、同作のメインキャストにあたる農民詩人・木村迪夫さんの出身地域である東北地方の農業事情、農業に関連する長編映画についても一緒に紹介します。
映画『無音の叫び声』は、『いのち耕す人々』や『天に栄える村』に続く最終譚として原村政樹監督がメガホンを握った農民詩人・木村迪夫さんの半生を描いたドキュメンタリー作品です。
1935年、山形県上山市牧野の小さな村で生まれた木村迪夫さん。
10代の頃に3度に渡って戦場へと送り出された父の戦死により、遺された家族を支えるために農業をしたり、上京して出稼ぎで”底辺の暮らし”を強いられます。
そんな苦しい生活を送る傍らで、詩人として”社会の矛盾”や”平和反戦”を強く訴える創作活動にのめり込み、60年間で16冊の詩集を出版することに。
後に「日本を代表する農民詩人」と呼ばれるまでに多くの作品を生み出した木村迪夫さんの半生をドキュメンタリー映像として映し出しました。
映画『無音の叫び声』は、農民詩人・木村迪夫さんの半生を映しており、様々な場所で撮影された映像が使われています。
彼の出身故郷は、山形県上山市牧野。
多くの映像が使われているわけではありませんが、山形県上山市牧野でどのように生活をしていたのかという話が語られています。
山形県上山市牧野は、人口が約450人(男性41%・女性59%)の小さな村で80歳以上の高齢者が最も多い割合を占めています。
続いて、70代、60代、50代の順で多く、日本国内でもトップクラスの高齢化が進んでいるエリアであることが伺えます。
三上・下生居と隣接した村で、須川など河川が流れているのが特徴です。
人口は少ないですが、上山市立宮川中学校があったり、久昌寺や五巴神社などの神社も多く残っており、人々から参拝されているようです。
東北地方は、木村迪夫さんの出身である山形県の他、青森県・岩手県・宮城県・秋田県・福島県の4つの都道府県から成り立っています。
本州の約30%の土地面積を東北地方が占めており、縦長の奥羽山脈を境に日本海側は出羽山脈、太平洋側は北上高地・阿武隈高地が連なり、それらの間を多くの河川が流れます。
東北が農業に優れている理由は、以下の通りです。
農業産出額は、関東・東山地方、九州地方に続く3番目に多い15.3%を占めており、品目別割合は畜産・米・野菜・果樹・花の順になります。
ちなみに、品目別でランキングをつけると、米と果樹に限っては全国1位です。
東北の都道府県別に多く生産されているものを見ていきましょう。
都道府県 | 盛んな品目 |
青森県 | りんご 米 ブロイラー |
秋田県 | 米 養豚 鶏卵 |
岩手県 | 乳牛 肉牛 未 若どり・ブロイラー |
山形県 | おうとう・さくらんぼ 肉牛 養豚 |
宮城県 | 米 肉牛 鶏卵 豚 |
福島県 | なし もも きゅうり トマト |
映画『無音の叫び声』と一緒に見るのをお勧めする農業に関連した長編映画は、以下の通りです。
それぞれの長編映画について解説します。
映画『フード・インク』は、2010年に日本国内で上映されたドキュメンタリー映像作品です。
第82回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にノミネートされたことでも話題になりましたが、アメリカの食品産業の問題を鋭く切り込み、問題提起を起こしました。
「何気なく口にしている食べ物はどのように生産されているのか?」「食品業界を裏で操る意外な企業とは?」衝撃的な実態をセンセーショナルな映像と共に映し出します。
日本でも”食品偽装”や”食品管理”に関する問題が注目されていますが、本作を通して改めて「食」との向き合い方を考えさせられることでしょう。
映画『百姓の百の声』は、日本全国の食を支える百姓たちの知恵・工夫・人生を映し出したドキュメンタリー映像作品です。
和食を美しい角度から映し出した映画『千年の一滴 だし しょうゆ』を手がけた柴田昌平監督が、美しい映像と農家のインタビューを通して食の原点となる”農”と向き合います。
低下し続ける日本の食料自給率を支える農家たちは、何を考えながら仕事に勤しむのでしょうか。
「無農薬にするべきか」「有機農業が良いか」など、そんなことを議論するよりもまずは農業に携わりたいと思う人々を増やすために努力をするべきだと主張するベテラン百姓。
長年の経験や知識を常にアップデートして、日本農業の底上げを目指す百姓たちの奮闘劇が丁寧に描かれています。
映画『種まいて水やって自然栽培パーティ!』は、障がいを持つ人たちが自然栽培に携わる様子を映したドキュメンタリー映像作品です。
農業市場の少子高齢化に伴い休耕地が増え続ける日本で、複数の福祉施設の人たちが「自然栽培パーティー」の立ち上げを計画します。
初めは福祉施設とそこに集まる障がいを持つ人々だけで始まった自然栽培パーティーですが、徐々に地域の人たちからも注目されるようになり、人のつながりが大きくなります。
今の時代に農業をする魅力が感じられる映像が詰まっています。
映画『ビッグ・リトル・ファーム』は、大都市・ロサンゼルスから地方への移住した一家が命のサイクルを学んで、自然や動物と共存する生活に魅了されるヒューマンドラマです。
料理家の妻は、自分たちで野菜や果物を育てて料理や食事を楽しむ生活を夢見て、地方への移住を決断しますが、目の前に広がるのは200エーカー(東京ドーム約17個分)の荒れ果てた農地。
しかし、一家は荒れ果てた農地の悲痛の叫びに耳を傾け、原因を探り、命のサイクルを取り戻す作業へと取り掛かります。
なんでも手軽に手に入れることができる時代に、ゼロから何かを生み出し、地球に存在する自然や動物と共存する美しさに気付かされるでしょう。
映画『奇跡のリンゴ』は、不可能と言われていたリンゴの”無農薬栽培”に成功した実話をベースに描かれたヒューマンドラマ作品です。
リンゴ農家の主人公は、栽培のために必要不可欠とされる農薬が妻の体を蝕んでいると知ったことをきっかけに前代未聞の”リンゴの無農薬栽培”に挑戦します。
10年の月日をかけても成功せずに、徐々に家庭は貧しくなり、周りの農家たちからも蔑まれるなどの窮地に追いやられるものの、諦めずに追求し続けているとある奇跡が起こります。
「授業で見たことがある」との声が度々寄せられており、授業の一環として取り扱いがあることからも、多角的に高く評価されていることが伺えます。
映画『無音の叫び声』の配信状況をリサーチした結果は、以下の通りです。
アプリ名 | 映画『無音の叫び声』の配信状況 |
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U-NEXT | × |
Netflix | × |
Amazonプライムビデオ | × |
Hulu | × |
FODプレミアム | × |
Rakuten TV | × |
クランクイン!ビデオ | × |
DMM TV | × |
TELASA | × |
dアニメストア | × |
Disney + | × |
映画『無音の叫び声』の配信状況を調査したところ、2024年4月時点で配信しているアプリ・動画配信サイトはありませんでした。
近年ではドキュメンタリー作品も含めて配信化が一般的になりつつありますが、映画『無音の叫び声』はクラウドファンディングを通じて制作費を集めた背景があります。
そのため、収益化を目的としている商業作品とは異なる作品であることから、現時点では配信されていないと推測できます。
とはいえ、近年では映画『無音の叫び声』のようなドキュメンタリー作品の視聴方法も多様化しつつあるため、近々配信サイトで見れる可能性は十分に期待できます。
より詳しい配信状況や評判に関しては、「映画『無音の叫び声』を無料視聴できる?見れるアプリや作品の見どころまとめ」をチェックしてください。
本記事では、映画『無音の叫び声』のロケ地・撮影場所について調査しました。
農民詩人・木村迪夫さんの半生を描いているため、さまざまな地域が登場しますが、主に木村さんの故郷である山形県上山市牧野が映し出されています。
東北地方は、水や大地に恵まれた地域であることから、山形県に限らず農業が盛んです。
映画『無音の叫び声』を見て、木村さんの故郷や東北地方に魅了された方は旅行で訪れてみたり、東北地方が産地になっている食材を買ってみてください。